【卒業生インタビューvol.2】自分と深く向き合うことで見つけた“私らしい人生”の歩き方

今回は、カムラックおおいたを経て、現在は株式会社Splice-Labで活躍されているNさん(男性)にお話を伺いました。自身の特性と向き合い、「自立」の定義を書き換えることで道を切り拓いてきたNさんの歩みは、多くの人のヒントになるはずです。

 

 


 

— 現在、どのようなお仕事をされているか教えてください。

Nさん:主にCADソフトを使って図面を起こしたり、作業に沿った簡単な作図をしたりしています。あとは、Excelでデータをまとめたり加工したりといった事務作業も多いですね。もともとPCでの事務処理は勉強していましたし、好きな分野なので抵抗感なく取り組めています。


— 今の仕事に就く前はどんなことをしていましたか。

Nさん:以前はネットカフェの清掃をしていました。本当はサウナなどの温浴施設で働きたくて、そのステップとして接客経験を積もうとしていたんです。でも、その後の就職活動で大手支援機関の選考に落ちてしまい、「どうすればいいんだ」と悩んでいた時期に、流れ着くようにカムラックに応募しました。


— そこからカムラックで1年半ほど過ごされたわけですが、ご自身の中で変化はありましたか?

Nさん:「働くことを通してシンプルに自信がついた」のが大きいです。それまでは土木に関する知識は全くなかったのですが、基礎から学ぶことで土台が固まりました。

また、自分を客観的に見る「メタ認知」ができるようになったことも大きな収穫です。私は大学卒業後の就活失敗を機に自分の障害と向き合い始めましたが、当時は手探り状態でした。でも今は、自分の「短期記憶(ワーキングメモリ)が弱い」という弱点や、「一度覚えたことは忘れにくい」という特性を理解しています。今の能力はすべて後から訓練で身につけた「後付け」のものだと自覚し、自分の扱い方に慣れてきました。


— ご自身の特性を理解した上で、仕事への向き合い方も変わったのでしょうか。

Nさん:はい。以前はやりたかった仕事に執着していましたが、今は「自分の仕事が街を下支えしている」ということに誇りを持っています。私が携わっている道路のメンテナンスなどの業務が、巡り巡って自分の好きなゲームセンターやライブハウス、温浴施設を支えている。そう考えると、すごく充実感があるんです。


— メンタル面で工夫していることはありますか。

Nさん:以前は自分を追い込みがちだったので、今は意識的に「なんとかなる」「大丈夫」と考えるようにしています。責任を持つべきところは持ちつつも、思考に「ほぐし(余裕)」を入れる。体の疲れや頭の疲れをしっかり取って、長く働き続けられる状態を保つことを優先しています。


— これから自立を目指す方や、支援を考えている方へメッセージをお願いします。

Nさん:私にとって、「自立とは全部自分でやることではなく、人に程よく頼ること」です。

私は今、一人暮らしをしていますが、訪問介護や配食サービス、相談支援員さんなど、多くの助けを借りています。そうやって周囲を上手に頼りながら、その分自分のできる仕事で社会に貢献していく。これこそが本当の意味での自立だと思っています。一人で抱え込まず、カムラックおおいたのような場所や支援機関を頼ることを選択肢に入れてほしいですね。


— 最後に、これからの目標を教えてください

Nさん:ゲームで例えるなら、ようやく自分という「操作キャラクター」の動かし方に慣れてきた感覚なんです。周りと比べるのではなく、今の自分にできる範囲で、この安定した生活を続けていきたい。

特別な大成功を目指す体力が今はなくても、「自分の人生をちゃんと生きる」「いい人生にする」。そのために、少しずつ社会参加を続けていければと思っています。

 

<編集後記>
Nさんのお話を通じて、「自分を深く理解することの大切さ」を改めて実感しました。“周囲に頼りながら、自分にできる仕事で社会に貢献する”というNさんの想いは、今のおだやかでありながらも真剣なまなざしに、自然と表れているように思います。これからの歩みも、Nさんらしく一歩ずつ進まれていくことをカムラックおおいたは心から応援しています。Nさん、ありがとうございました。
 

 

 

 

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